斬新なタイムループ設定と力強い成長を描いたストーリーで、タイムループSFブームに大きな影響を与えた桜坂洋の『All You Need Is Kill』。のちにハリウッドで映画化もされ、世界的に大ヒットしたこの傑作小説がアニメーション作品となる。
本作を手がけるのは、日本アニメーション界で独自の存在感を放つSTUDIO4℃。『鉄コン筋クリート』や『海獣の子供』など、挑戦的かつ独創的な作品を世に送り出し、伝統的な作画技術と最新の映像技術を融合させてきた。その唯一無二のビジュアル表現は、世界中の映画祭や批評家からも高く評価されている。
監督を務めるのは、気鋭の映像クリエイター・秋本賢一郎。これまで数々の映像作品で先鋭的なアニメーション表現を追求し、特にキャラクターの感情を繊細に描き出す手腕に定評がある。本作では、原作や実写映画とは異なる新たな視点でストーリーを再構築。リタという一人の女性の内面にフォーカスを当て、彼女の孤独、苦悩、そして成長の物語を描く。
地球外生命体の襲来によって、死んではその日の朝に戻るというタイムループに閉じ込められたリタ。蓄積された記憶と経験を武器に戦いを続ける彼女だが、誰にも理解されず、終わりの見えない戦いに心は蝕まれていく。そんな時、彼女の前に現れる男・ケイジ。「俺も…今日をずっと繰り返している」。運命の出会いを果たした二人は、終わりなき戦場を変える希望となるのか……。圧倒的ビジュアルで描かれるアクションファンタジーSF!
原作
桜坂洋
『All You Need Is Kill』(集英社刊)
Hiroshi Sakurazaka
1970年生まれ。作家。2003年『よくわかる現代魔法』を刊行してデビュー。2004年発表の短篇『さいたまチェーンソー少女』で第16回SFマガジン読者賞、2008年発表の短篇『ナイト・オブ・ザ・ホーリーシット』で第20回SFマガジン読者賞を受賞。2004年発表の代表作『All You Need Is Kill』は2014年にトム・クルーズ主演でハリウッド実写映画化。
監督
秋本賢一郎
Kenichiro Akimoto
映画『ベルセルク 黄金時代篇』(2012-2013)でCGIのモデリング、リギング、アニメーション、表現開発、シーン絵コンテなど多岐に渡って活躍。映画『渇き。』(2014)の劇中アニメーションでCGI監督、映画『ハーモニー』(2015)では3DCGモデリングチーフを担当。映画『海獣の子供』(2019)ではCGI監督を務め、米津玄師の主題歌『海の幽霊』のMusic Videoも制作。『映画 えんとつ町のプペル』(2020)では美術監督、映画『漁港の肉子ちゃん』(2021)では演出を担当。
制作
STUDIO4℃
斬新かつ実験的な映像表現を追求し続けるアニメーションスタジオ。映画『マインド・ゲーム』(2004)、『鉄コン筋クリート』(2006)、『ベルセルク 黄金時代篇』(2012-2013)、『海獣の子供』(2019)、『映画 えんとつ町のプペル』(2020)など、独創的な作風で国内外から高い評価を受ける。短編アニメーションやミュージックビデオ、ゲーム映像など、多様なジャンルの映像制作にも積極的に取り組み、革新的な映像表現を生み出し続けている。
https://www.studio4c.co.jp/
脚本 木戸雄一郎
/Screenplay Yuichiro Kido
実写映画やスタジオジブリの助監督を経て、脚本家に。『Dr.STONE 1期~3期』(19-23)』『映像研には手を出すな!』(20)などのアニメーション作品から、実写映画『四月になれば彼女は』(24)、自身のクリエイティブユニット『キドキカク』を立ち上げ舞台公演をするなどジャンルを問わず活動。今後、TVアニメ『怪獣8号 2期』、配信アニメ『リヴァイアサン』など待機作品多数。
キャラクターデザイン 村上泉
/Character Design Izumi Murakami
スタイリッシュで自由な表現、優美で開放的なアニメーションセンスを合わせ持つ注目の実力派クリエイター。近年は『夜は短し歩けよ乙女』(17)『夜明け告げるルーのうた』(17)『DEVILMAN crybaby』(18)『映像研には手を出すな!』(20)『犬王』(22)など、鬼才・湯浅政明監督作品のメインアニメーターとして活躍。STUDIO4℃映画『海獣の子供』(19)では作画監督(共同)として貢献し、オリジナルアニメ『デカダンス』(20)ではビジュアルコンセプトや設定協力も担当。一人で絵コンテ・演出・作画を担った『ACCA13区監察課』(17)のEDは、氏の美しく豊かな作家性が発揮された必見の世界観で、大きな話題を集めた。
美術監督 久保友孝
/Art Director Tomotaka Kubo
『メアリと魔女の花』(17)『プロメア』(19)『平家物語』(22)などハイクオリティー作品で美術監督を務める。リアルなスタイルからデザインされた画風まで、光と影の繊細な表現、色彩豊かに描かれる世界観を、様々な監督陣と作り上げている。多くの美術監督を輩出した小林プロダクション出身で、『コクリコ坂から』(11)『かぐや姫の物語』(13)『思い出のマーニー』(14)などのスタジオジブリ作品をはじめ、『この世界の片隅に』(16)『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(21)にも参加。2023年に公開した『屋根裏のラジャー』(23)では美術監督補佐を務めた。
アニメーション演出 中村幸憲
/Co-director Yukinori Nakamura
スタジオジブリにて宮崎駿監督の短編作品『毛虫のボロ』(18)でCG作画監督、ジブリ初のフル 3D 長編作品『アーヤと魔女』(20)ではCG演出/CG supervisorに抜擢され、国内外の実力派CGスタッフ陣を統括。手法に囚われない大胆なCG演出と豊かな応用力で、宮崎駿監督や宮崎吾朗監督から確かな信頼を得る。宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』(23)では、数少ないCGアーティストの一人としてクライマックスシーンのCGを担当。
アニメーションディレクター 中島智成
/Animation Director Tomonari Nakajima
STUDIO4℃出身で、現在フリー。『スプリガン』(98)『メトロポリス』(01)『スチームボーイ』(04)『いばらの王』(10)『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 :Q』(12)『かぐや姫の物語』(13)『海獣の子供』(19) 『OBSOLETE』(19)『BEASTARS』(20)『屋根裏のラジャー』(23)などの話題作や意欲作に次々参加し、デジタルアーティスト、CGアニメーター、CGディレクターまで多岐に貢献。高度なCGI技術を駆使しながら、3D作品・作画作品を問わずハイクオリティーなアニメーション制作の現場でマルチに活躍する。
アニメーションディレクター 得丸尚人
/Animation Director Hisato Tokumaru
合同会社アニメ合金・V代表で、精鋭アニメーターチームを統括する。元々ソニーコンピュータエンタテインメント、スクウェア(現スクウェア・エニックス)にて、2D/3DCGアニメーションに従事し、渡米。米国内の大手ゲーム会社などを経て帰国し、国内プロダクションで3DCGアニメーター、アニメーションスパーバイザーを務めた。高度な手付けアニメーションへの追求と、確かな実績で『未来のミライ』(18)『アーヤと魔女』(20)等の大作で貢献。新海誠監督『すずめの戸締り』(22)ではアニメーションディレクターとして活躍した。
CGI監督 中島隆紀
/CGI Director Supervisior Takanori Nakashima
『海獣の子供』(19)にCGIスタッフとして参加し、3Dアニメーションから撮影まで多岐にわたり活躍。『映画 えんとつ町のプぺル』(20)で初のCGI監督に抜擢され、多くの観客を魅了する美麗な画面設計を実現。その後、『漁港の肉子ちゃん』(21)のCGI監督として、情緒豊かな映像を表現し、『映画 えんとつ町のプペル』に続き日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞の連続受賞に貢献。話題作『サマータイムレンダ』(22)ではOPアニメーションディレクターにも抜擢されるなど、STUDIO4℃の要となる。
色彩設計 鈴木このは
/Color Design Konoha Suzuki
2016年STUDIO4℃入社。『RedAsh』(17)に参加し、以降は『海獣の子供』(19)『漁港の肉子ちゃん』(21)『火の鳥エデンの花』(23)など様々なSTUDIO4℃長編作品で仕上げ・色指定として確かなキャリアを積み上げて活躍。その豊かな色彩センスが評価され、本作『ALL YOU NEED IS KILL』ではキャラクターの色を統括する色彩設計に抜擢される。
メカニックデザイン 出雲重機
/Mechanical Design IZMOJUKI
『出雲重機』は、デザイナー大久保淳二によるアートプロジェクト。リアル志向のメカデザインを特徴に同名義でコンセプトアーティスト/メカデザイナーとしてゲームやトイ、映像作品の分野で活動している。アニメーション映画『GODZILLA』3部作(17-18)、Netflixオリジナルアニメーション『パシフィック・リム: 暗黒の大陸』(21)、ディズニープラス『スター・ウォーズ:ヴィジョンズ』Volume1(21)など、数々のSF話題作でメカニックデザインとして活躍。
音楽 前田泰弘
/Music Yasuhiro Maeda
作曲家・久石譲氏のもとでマニピュレーターとしてキャリアをスタート。現在に至るまで、マニピュレーターおよび音楽ディレクターとして同氏の映画・TVドラマ・CM音楽等のプロジェクトに多数参加。また、近年作編曲家および音楽プロデューサーとしても活動。オーケストラ作品からトラックメイキングまで様々なジャンルの音楽を手がける。『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』(22)、『八犬伝』(24)など
音響デザイン 笠松広司
/Sound Design Kouji Kasamatsu
デジタルサーカス代表。音響監督・音響演出として数多くの話題作に参加。熟達した技術と型破りな発想で、多くの映画人から絶大な信頼を集めている。主な作品に『崖の上のポニョ』(2008)『ベルセルク 黄金時代篇』三部作(2012-2013)『風立ちぬ』(2013)『想い出のマーニー』(2014)『ハーモニー』(2015)『きみと、波にのれたら。』(2019)『海獣の子供』(2019)『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2020)『漁港の肉子ちゃん』(2021)『THE FIRST SLUM DUNK』(2022)『君たちはどう生きるか』(2023)などがある。
SF考証 高島雄哉
/Science Fiction Researcher Yuya Takashima
東京大学理学部物理学科卒、東京藝術大学美術学部芸術学科卒。2014年『ランドスケープと夏の定理』で第5回創元SF短編賞を受賞し、作家デビュー。新時代のハードSFの書き手として多くの小説を発表しながら、SF考証としても活躍中。主な参加作品に『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ~』(16~)『ブルバスター』(16)『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(22)『SYNDUALITY』(23~)『アーマード・コアⅥ』(23)『ゼーガペインSTA』(24)などがある。
リタ
ボランティアスタッフとして働く18歳 。赤毛が特徴的。過去のトラウマから心を閉ざし、 周囲に壁を作り自らの殻に閉じこもっている。ある日の作業中、事故に遭遇し意識を失うが、目覚めたのは同じ日の朝だった……。
Character Voice
見上愛
2000年10月26日生まれ
「不死⾝ラヴァーズ」(2024)
Netflix シリーズ「恋愛バトルロワイヤル」(2024)
⼤河ドラマ「光る君へ」(2024)
「かくかくしかじか」(2025年5月16日公開)
「国宝」(2025年6月6日公開)
2026年前期連続テレビ⼩説「⾵、薫る」(2026年春放送予定)
ケイジ
リタと同じボランティアスタッフのSEとして働く気弱な20歳の青年。普段は周囲に合わせて愛想笑いを浮かべがちだったが、偶然に出会ったリタの存在が、ケイジの内に眠る何かを揺さぶっていく—。
Character Voice
花江夏樹
1991年6月26日生まれ
「鬼滅の刃」(竈門炭治郎)
「ダンダダン」(オカルン<高倉健>)
「東京喰種」(金木研)
「四月は君の嘘」(有馬公生)
「チェンソーマン」(ビーム)
「鬼滅の刃 無限城編 第一章」(2025年7月18日公開)
シャスタ
嬉々としてダロルの研究に没頭する天才大学院生。
Character Voice
花澤香菜
2月25日生まれ、東京都出身。
2003年放送のTVアニメ「LAST EXILE」のホリー・マドセイン役として声優デビュー。
2006年、TVアニメ「ゼーガペイン」にヒロインのカミナギ・リョーコ役として出演。
同作をきっかけに、本格的に声優活動を開始する。
レイチェル
リタと同じ班のボランティア作業員。
殻に閉じこもりがちなリタを心配している。
Character Voice
ヒコロヒー
1989年10月15日生まれ。愛媛県出身。
2011年ピン芸人としてデビュー。独特の世界観とキャラクターで描く1人コントが人気で単独公演は毎回即完。
「キョコロヒー」をはじめとするバラエティ番組出演の他、ラジオ、ドラマ・映画出演、執筆やデザインまで幅広く活躍中。
初エッセイ集「きれはし」、短編恋愛小説集「黙って喋って」を上梓したほか、
25年はドラマ「トーキョーカモフラージュアワー」で連ドラ初脚本を手掛けている。
ヨナバル
リタと同じ班のボランティア作業員。
陽気で、リタをからかうお調子者だが、仲間思いな一面も。
Character Voice
もう中学生
1983年2月14日生まれ、長野県長野市川中島町出身。O型。NSC東京7期生。
独創的な感性を活かし、信越放送ラジオ「もう中学生のおラジオ中」をはじめ多数のレギュラー番組で活躍中。
主題歌
/
AKASAKI「連れてって」
18歳の大学生シンガーソングライター「AKASAKI」。
2024年4月24日に「弾きこもり」をリリースして、アーティストとして本格デビューを果たした。
TikTok|Spotifyの「BuzzTracker」10月度のMonthlyArtistsに選出され、リリースした「BunnyGirl」は僅か5ヶ月で、ストリーミング「1億回」、MV「5,000万回」再生を突破。
国内外を問わず大型フェスからの出演オファーが殺到しており、7月には18歳最後の初の東名阪ツアー「一か八か」を開催予定。
2025年は、RADAR:EarlyNoise2025、バズリズム「2025年にブレイク必至のアーティスト」TOP10、EIGHT-JAM「2024年マイベスト10」に選出されるなど、業界最注目の新人アーティストの1人となっている。
コメント
素晴らしい本小説のアニメーション映画化に携われることを光栄に思います。漫画化も、ハリウッド映画化もされた本作をアニメ化するにあたって、STUDIO4℃らしい映像表現で本作品の価値をさらに高められたらと思っています。そして、観た人が繰り返す日常の中にちょっとした生きる希望を見付けてもらえればと願っています。
監督/
秋本賢一郎
アニメが大好きな私にとって、夢のようなお仕事でした。同時に、好きだからこそ、自分に出来るのだろうか……という不安もありました。ですが、その不安がリタの心情と重なって、初めてケイジ役の花江さんと一緒に収録をした日、少しずつ心が軽くなって、解き放たれる不思議な瞬間があったのです。リタと一緒に呼吸をして生きていく感覚は、声優業ならではのものだと感じました。ラノベ、漫画、実写映画、と様々な表情を見せてきたこの作品ですが、今回のアニメ映画では、ロフェッショナルなキャスト、スタッフによって、アニメだから出来る解釈と表現が詰め込まれています。ぜひ、原作などのファンの方も、はじめてこの作品に触れる方も、リタやケイジと共に、生きていく希望を見つける旅に出て欲しいです。
リタ/
見上愛
ケイジ役で出演いたします花江夏樹です。
彼は一見どこにでもいそうな青年ですが、過酷な戦場の中で繰り返す死と向き合いながら、少しずつ変化し成長していきます。
彼の絶望や葛藤、そして決意を声を通して丁寧に表現できればと思います。
ループの中で出会うリタとの関係性や何度も繰り返す戦場の中で芽生えていく覚悟はこの作品の大きな見どころだと思います。STUDIO4℃さんによる圧巻の映像表現と共に登場人物たちの変化をぜひ見届けていただけたら嬉しいです。
どうぞお楽しみに!
ケイジ/
花江夏樹
シャスタは、知的で自分の世界をしっかり持っていつつも、くだけた雰囲気の科学者の女性です。
ひとり異様なテンションで、時間が繰り返す謎に近づいていきます。
彼女の飄々としたところと、未知のものへの興奮を大切に演じました。
完成した作品をまだ観ていないので、どうなっているのか私自身も楽しみにしています!!!
シャスタ/
花澤香菜
アニメーション映画というものの新たな可能性に満ち溢れた、みずみずしい映画でした。
とにかく一回みてほしいです。
話はそれからです。
レイチェル/
ヒコロヒー
「おもしろいよぉ~、おもしろいねぇ~」
そして、ご覧になっていただいたあと、日々の暮らしが、
「別世界になるねー、別世界になるよー」でした!!
(見たあとそば食べたら、いつもよりコシ倍増でした。)
ヨナバル/
もう中学生
こんにちは、AKASAKIです。このたび、初めてアニメの主題歌を担当させていただくことになりました。
作品は「ALL YOU NEED IS KILL」。この強烈なタイトルと、生と死がループする壮絶な物語に、最初に触れたときの衝撃は今でも忘れられません。
主人公のリタとケイジの想いを、「連れてって」という楽曲に込めました。出口のない戦いの中でも、心のどこかに灯る希望を見つけてもらえたら嬉しいです。
アニメと一緒に、この曲も楽しんでもらえたらと思います。
主題歌/
AKASAKI