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『ALL YOU NEED IS KILL』オフィシャルキャストインタビュー 見上愛×花江夏樹

――ご自身の役柄を演じるにあたって一番意識されたのはどんなことでしたか?

花江:原作小説がすごく有名な作品で、これまでも様々なメディアで展開されてきましたが、今回は劇場アニメーション化、しかもSTUDIO4℃さんの独特な雰囲気で映像化されているので、唯一無二の作品になっていると感じました。なので、お芝居の作り方もその雰囲気を極力壊さないようにしたいと考えていました。また、今回はお相手が見上(愛)さんだったので、基本的には現場に入って見上さんが作り出される雰囲気に一緒についていけたらいいなと思っていました。
見上:私は今回が声優初挑戦なので、声のお仕事では何を意識すべきなのかもわからない状態でした。普段の実写のお仕事と同じように台本を読んでいきましたが、アニメのキャラクターとしての演技をどうやったら表現できるかもなかなか掴めず、収録現場ではとにかくこの作品に飛び込もうという気持ちで精一杯でした。

――花江さんと一緒にお芝居をしてみて、見上さんが学んだこと、吸収できたことがあれば教えてください。

見上:全部で3日間の収録だったのですが、収録1日目は1人で録って、2日目に花江さんとご一緒して、3日目にまた1人で収録に臨みました。花江さんとご一緒したあと、「1日目とは比べものにならないくらい良くなったね」とスタッフの皆さんからおっしゃっていただいて、3日目に1日目に1人で録ったものを全部録り直しました。そのぐらいものすごく影響を与えていただきました。プロの技を間近で見せていただけて、もちろん見たところですぐに真似できるわけではないのですが、温度感がすごく伝わってきました。また、台本に書いていないブレスや声をどの程度入れたらいいのかもわからなかったので、そういうところも勉強させていただきました。

――花江さんは見上さんとのお芝居はいかがでしたか?

花江:声の質感がすごく素敵だなと思いました。声優としてずっとアニメのお仕事をやってくると、もちろん必要な技術は身につくんですが、初めて演じたときの初々しさや新鮮さが徐々に失われていくんですよね。今回、リタは急に想像もしていなかった状況に巻き込まれて、そこから脱出しようと必死に抗っていくので、そんなリタにおそらく見上さんは心境的にリンクするところが多かったんだろうと感じました。そのくらい、ものすごく入り込んでいらしたので、一緒に掛け合いをしていて、僕自身もすごく助けてもらったなという印象があります。ご一緒した1日の中でも最初の頃からすごく変わったなと思った瞬間があったので、人の成長って感動的だなと思いました(笑)。

――心を閉ざしている状態から徐々に心を開いていくリタは、難しい役柄だったと思います。アニメ初挑戦の中で、そうしたキャラクターの変化にはどう取り組みましたか?

見上:キャラクターの心情については、普段の実写のお芝居とあまり変えずにやってみようと思っていました。秋本(賢一郎)監督もおそらく技術的な指示を出しても私にはできないことがわかっているので、私には技術的なことではなく、「こういう気持ちでお芝居してみてください」と感情面での指示をくださいました。なので、普段のお芝居と同じような感覚でリタの心情に寄り添うことができたと思います。

――セリフだけではなく、特に戦闘中にはブレスとか呼吸音が入る箇所もあったと思います。アニメならではのそうした部分の収録はどのように進めていかれましたか?

見上:「キャラクターが口を動かしたら、何かしらの音を入れるんだよ」と収録が始まってから教えてもらったんです(笑)。なので、「ハッ!」とかそういう呼吸音を入れなきゃいけないことを現場で学びました。ただ、実写の作品でも走っているときの声などは、あとから別録りすることが多いので、そういう収録のときに「息遣いが上手だね」と褒めていただいたことがあって、それを思い出しながらやりました

――本作は原作小説とは違った視点で描かれていますが、今回の世界観についてはどのように感じられましたか?

花江:やはりリタ視点で描かれていくのが、すごく新鮮でしたね。しかも本作ではリタもケイジも原作小説のような軍人ではなく、それほど強い人間ではないので、より成長が感じられる展開だと思いました。それに、2人の精神的な成長が描かれていて、後半では自分自身の弱さを伝えたりするシーンもあるので、そういうところは今まで描かれてきた「オール・ニード・イズ・キル」とはまた違った、より繊細な仕上がりになっている印象でした。
見上:原作小説とはまた違う方向で、生きる希望を見出せる作品になっているなと思います。花江さんがおっしゃったように、すごく弱い2人だからこそ、観ている方にも「自分がこういう状況になったら」と感情移入していただきやすい作品になっていると感じました。そういうところも本作ならではの魅力になっていると思います。

――ご自身で感じている、今回の作品の一番の見どころをお聞かせください。

花江:いっぱいあるんですけど、僕は普段から結構ゲームをやるので、このお話の“ループする”というゲーム的な展開にすごくワクワクしました。「ここでこれを失敗したから、次はこうしてみよう」という積み重ねにもゲーム的な達成感を感じましたし、「これは一体いつ終わるんだろう」という絶望感も味わえました。次の展開がわかったうえで観ていても、のめり込んでしまったので、きっと先を知らずにご覧になる方はより楽しめると思います。
見上:独特な色使いで描かれた映像と迫力ある音によって、ダロルの存在感は私が原作を読んで想像していたものを超えるものがありました。なので、ぜひその映像と音に注目して欲しいです。また、孤立していた2人が出会うことで、少しずつ生きたいと思えるようになり、世界の見方が変わっていくお話だと思うので、そうした2人の物語も楽しんでいただけたらと思います。

――冒頭で“STUDIO4℃さんによる唯一無二の作品というお話がありましたが、映像表現やキャラクターデザインにおける本作ならではの魅力についてお聞かせください。

花江:キャラクターデザインについては正直ちょっとびっくりしましたね(笑)。特にケイジはかなり頼りなさそうな感じでしたが、そこがこの物語のケイジとしては味になっている部分だと思いますし、そんな彼がだんだんと成長して「かっこいいじゃん」と思えるようになるのが、すごくよかったですね。あと、戦闘のときのスーツのデザインもすごくかっこよかったです。アニメーションになるとスーツ姿で激しく動いていくのに、あのテイストの絵柄できちんと重量感も感じられるんですよ。そのバランスを見定めながら、あれだけの動きを描けることがすごいと思いました。
見上:映像表現で私が好きだなと思ったのは、リタの目線で描かれた世界の表現です。リタが目を覚ましてクラクラしているときの彼女目線の世界が何度も映るのですが、そういうところまで細かく表現されているのが、とても面白いなと思いました。

――リタとケイジ以外にも様々なキャラクターが登場していますが、ご自身が演じられたキャラクター以外に気になるキャラクターはいましたか?

花江:僕がやりたいなと思ったのは、花澤(香菜)さんが演じていたシャスタですね。シャスタを演じるのは楽しそうだなと(笑)。女性のキャラクターですけど、もし男性のキャラクターとして演じるならどうやろうかと考えるのも楽しいですね。演じる人によってかなり方向性の違う作り方になりそうなので、シャスタが気になりました。
見上:私はヒコロヒーさんが演じたレイチェルですね。レイチェルになって、逆にお寝坊さんのリタを毎朝起こしてあげたいです(笑)。でも、ヒコロヒーさんのレイチェルもすごく素敵でしたね。ヒコロヒーさんだと気づかないくらい自然に作品に馴染んでいらして、それでいてすごく特徴的で素晴らしかったです。

――お互いに何か聞いてみたいことはありますか?

花江:初めて自分の声が入っている完成版を観て違和感はなかったですか? 
見上:初めて見たときは、そこにほとんど意識がいかなかったです。作品全体に引き込まれましたし、映像や音の迫力に圧倒されていたので、観終わってから、もっとちゃんと自分の声も聴いておけばよかったと思いました(笑)。花江さんは普段自分が出演している作品を観て、反省したりする方ですか?
花江:めっちゃ反省します。いまだにずっとありますね。
見上:えっっ! 今回も反省するところがありましたか?
花江:今回も反省がめっちゃありましたね。
見上:えっっっっっ!
花江:もうちょっと声を抜いていけたなとか、もっとマイクの限界に挑戦すればよかったなとか、あとになって思うことが結構ありました。
見上:うわぁ、すごいなぁ。
花江:でも、こういうのは自分が気にしているところであって、あまりほかの人は気にしていないこともあるので、気にしすぎかなとも思うんです。でも、反省することはいいことなので。
見上:そうですよね。
花江:僕が初めての声の仕事で自分の声を聴いたときは、周りから完全に浮いているなという感覚だったので、それがなく、きちんと作品を観られたというのは素晴らしいことだと思います。
見上:いえいえ、もう一回、観たらすごく気になると思います。普段の実写の作品でも私は自分の芝居をあまり注目して観ていなくて、ヤバい!と思うことがあります。なので、もう一回観たら、きっと私も恥ずかしくて観ていられない感覚になると思います。

――花江さんもまだ反省することがあるというほど声優の世界は奥深いので、見上さんも機会があれば、またぜひ挑戦してみてください。

見上:機会があれば、またやってみたいですね。
花江:ぜひぜひ。こういうのは“慣れ”なので、すぐ慣れると思いますよ。
見上:頑張ります!

――花江さんは「何かを掴めたぞ」という瞬間はあったんですか?

花江:いやあ、とにかくやっぱり経験だと思います。現場に出てから自分の中で成長したなと感じることが多かったので、現場でほかの役者さんから吸収していくのが近道だと思いますね。
見上:そういう意味では、本作はもう“大お手本”が目の前にいらっしゃる感じでした(笑)。私が一番感動したのが、すごく普通に監督が「ケイジの小さい頃から成長するまでを、笑いで繋げながら表現してみてください」と指示されていたことです。私からしたら「そんなことできるの!?」というオーダーだったのですが、それも一回でOKだったので、感動しました。
花江:そういうディレクションが普通なんですよ。
見上:それが私には信じられなくて、一定の年齢の役を演じることさえ難しいのに、その役の若い頃から成長したところまでを瞬時に声を切り替えながら演じられるのが、本当にすごいなと思いました。
花江:それも本当に“慣れ”なんです。僕も俳優さんと一緒に収録するときに「どうやってセリフを覚えているんですか?」と質問することがあるんですけど、それもやっぱり“慣れ”じゃないですか。
見上:確かに。お互いに経験が大事なんですね(笑)。

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